衝撃試験とは?

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01.製品強度の把握。

| 安全な製品づくりのために

衝撃試験は、材料の強靭さや脆さを明らかにするためには欠かせない試験です。安全な製品づくりのためには使用する材料の特性や強度を把握しなければなりません。衝撃に耐えてくれる製品も重要ですが、「安全に壊れてくれるか」という点も試験を行う上で重要な指標となります。
 

| フェイルセーフ思想

どんなに強度があって丁寧に使用したとしても、製品の破壊は避けられません。最終的に破断した際でも、できる限り安全側に破壊させる思想をフェイルセーフと呼びます。例えば、地震の際に内部空間を残す崩れ方をする建物、粒上に割れる窓もフェイルセーフの一種です。航空機では、亀裂が一定の成長を一定範囲にとどめるティア・ストラップなども使用されています。

製品強度の把握

02.安全な壊れ方を知る。

| 壊れるときも安心な製品とは

「建築物が急に壊れてしまった」
「窓が壊れて破片が飛んできて怪我をした」など、
物が壊れてしまったとき危険が及ぶことがあります。このような危険を避けるにはどうすればいいでしょうか。たとえば、
「変形するなど壊れる前兆のある材料を使う」
「使用者に危害が及ばないような壊れ方を模索する」
などの対策が試験を通して必要になります。

安全な壊れ方を知る

03.材料の物性を知る。

| 環境変化と耐久性の関係

強靭な材料であっても、環境によっては極端に脆くなることがあります。
普段は強度が十分な材料でも低温下では耐久性が極端に下がることがあります。逆に高温下では引張の力を受けた時に、材料が伸びて最終的に破断する現象もあります。
タイタニック号の沈没の原因も低温に弱い材料を使用したことによって亀裂が拡大したことだと言われています。
 

| 温度以外の要因

強度のある材料は一般的には小さな亀裂で破壊しやすくなります。また、強度が高い合金ほど水素や塩化物イオンといった影響を受けて脆化する傾向にあります。高強度・高靭性という性質はなかなか両立が難しい特性であるため、材料を選定する際、目的や使用する環境も考慮する必要があります。

材料の物性を知る

04.衝撃試験の進化。

| 再現性と計装化

かつての衝撃試験機は、壊れたか壊れなかったかでサンプルの強度を評価していました。試験を行う上で手間がかかったり、細かな数値が出ないので再現性に不安が残ることもありました。しかし、近年になると、ハンマーの角度を設定したり、衝撃エネルギーを数値化しディスプレイに表示する機体が登場しました。これらの機体は、試験後にハンマーの位置を自動で戻したり試験結果を計算する機能もあり、運用の煩わしさを解消し、より試験を快適に行えるようになっています。

衝撃試験の進化